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反発を受けた シンガポール初の女性大統領選出

シンガポール初の女性大統領、初代大統領以来のマレー系

シンガポールの第八代大統領に、ハリマ・ヤコブ氏が9月14日に就任しました。シンガポールで女性が大統領に選出されたのは史上初めてです。

ハリマ・ヤコブ氏: 略歴

ハリマ・ヤコブ氏。1954年生まれの63歳。
警備員をしていた父は、ヤコブ氏が8歳の時に亡くなります。食事を出す屋台で、朝早くから夜遅くまで働く母に、育てられました。「十歳で母の仕事を手伝い、貧困を経験した」と本人は綴っています。
シンガポール国立大学の前身であるシンガポール大学にて法学の学士、その後、シンガポール国立大学で法学の修士を取得。
シンガポール全国労働組合会議 (NTUC) にて、仕事をはじめます。弁護士です。2001年の総選挙で政界入り。地方自治開発・青少年・スポーツ省 (MCYS)、社会家族開発省 (MSF) にて大臣。与党PAPの最高機関である中央執行委員会に加わる。2013年には女性初の国会議長に就任。
国際的には、国連の国際法委員会 (ILC) の標準委員会にて議長代理を務めています。

シンガポールでの民族環境

シンガポールには主要三大民族として、中華系・マレー系・インド系があります。国民と永住者における民族比率は、中華系74.3%、マレー系13.4%、インド系9.0%、その他3.2%です。国の方針として民族平等ですが、数としては3/4を中華系が占める中華系国家です。

1965年~70年に務めた初代大統領ユソフ・ビン・イサーク氏以来の、2人目のマレー系大統領となります。現在のシンガポールでの$10札にイラストとして使われているのが、初代大統領です。

シンガポール大統領の特徴

シンガポールの大統領は、憲法で「国の代表 (Head of State)」と定義されています。
儀礼的な活動を中心に行います。外交・文化振興・慈善活動・賞や奨学金などです。諸外国で、国政とは別に儀礼的な存在を持つのは、血統や宗教を背景にしていることが多いのですが、そうではなく民選なのがシンガポール大統領の特徴です。

数少ない権限は、経済危機時などに緊急時に利用される政府準備金への拒否権などに限定されます。それ以外の活動については、政府か大臣の助言に従って行います。例えば、大臣の任命や恩赦は形式上は大統領が実施していますが、首相や政府の助言に従います。つまり、これらには、大統領が独自の判断はできません。日本での、天皇の国事行為にたとえることができます。
また、大統領が拒否権を発動しても、議会で2/3以上の投票を得れば、拒否権を覆すことができます。

シンガポール大統領の独自権限
  • 政府準備金使用への拒否権
  • 行政と政府系企業の重要職任命への拒否権
  • 宗教調和維持法 (Maintenance of Religious Harmony Act) での制限解除への承認と拒否権
  • 治安維持法 (ISA) での拘束延長への拒否権
  • 汚職調査局 (CPIB) が扱う捜査が停止になった際の拒否権

なぜ初の女性大統領が反発されたのか

「選挙が行われなかったこと」が国民が反発した最大の理由です。「女性初」というのは目を引きますが、性別は議論の対象になっていません。
2つの大きなタイミングがありました。
まず一つ目は、マレー系のみが立候補できる内容へと、憲法と法律が変更された時。このタイミングで、野党支持者の一部から反発が起きます。ですがここでは、民族を制限することへの議論はおきましたが、国民全体として反発とまで言えるほどではありません。
決定的になった二つ目が、ヤコブ氏以外に届け出た4人全員が立候補資格を満たさないとして失格となり、ヤコブ氏の無投票当選での選出が決まったときです。これで、国民が「国の代表」への意思表示をできなかったことを理由に、反発が広範囲に広がりました。
メルトウォーター社のネットでの感情調べによると、

9月10日まで 肯定51%、否定49%
9月11日(無投票当選確定日)と12日 肯定17%、否定83%

と、それまで拮抗していた感情が、無投票当選を境に、圧倒的に否定的になっています。

大統領選挙の改訂: 民族限定での立候補

今回の大統領選挙の前に、選挙制度の変更が行わました。制度変更の骨格は2つです。

  1. 民族: ある民族から5期連続で大統領が選ばれなかった場合、次の選挙ではその民族からのみ立候補が"予約"される (該当民族から選出されない際には、他民族も含めた立候補を再度受け付ける。更にその次の大統領選挙で該当民族の優先が再度予約される)
  2. 立候補資格: 民間経験の場合、株主資本がS$5億以上の企業で、3年以上の経営トップの経験 (従来は払込資本S$1億の企業でCEOか会長。公職では従来通り、大臣・裁判長などの重要職を3年以上経験)


"民族カード"と歴史的背景

シンガポールでは、『「特定民族の国会議員はその民族の利益を代表する」という考えはよくない』という価値観があります。国会議員は各民族ではなく国民の代表であり、国民全員の利益を代表しなければならない、ということです。
この価値観は、シンガポール独立時までさかのぼることができます。イギリスからの独立時に、一時はマレーシアの州の一つとして統合・独立したシンガポールは、わずか2年でマレーシアから追放される実態で、1965年に国として独立します。
理由は、民族への考え方の違いです。マレー系の優遇を当時のマレーシア(マラヤ)首相は持っていました。シンガポールの考えである「マレーシア人のためのマレーシア」「特定の民族を優遇しない。マレーシアはマレー系や中華系やインド系のものでない」とは合わないものでした。

シンガポールには"シンガポール国民の誓い"という、小学校や国家行事で斉唱される、国民なら誰でも暗唱できるものがあります。私の訳を付けます。

我々、シンガポールの国民は、幸福・繁栄・我々の国家の発展のために、民族・言語・宗教にかかわらず、正義と公平に基づく民主社会をつくることを誓います。

「民族・言語・宗教にかかわらず」という文言がこの短い文章の中に含まれているのは、建国の経緯であり、マレーシアへの強烈なアンチテーゼです。また、シンガポールがメリトクラシー(能力主義社会)を標榜して、こだわるのも、建国直後の混乱時に民族や家柄のなりふりを構ってられるほど人材プールが豊かでなかったこともありますが、民族主義をとるマレーシアからの独立を背景としています。

建国直前の1964年に合計36人が死亡する大規模な民族紛争を経験し、シンガポールで民族の扱いは極めて繊細です。公団(HDB)では民族が孤立しないように民族比率が割り当てられ多民族での共生が必須であり、義務教育では共通語の英語に加えて生徒の母語の両方が必修です。民族のアイデンティティが重んじられながらも、国民としての民族融合が進められています。
このシンガポールで、「民族を根拠に扱いを変える」というのは要注意の事項ですが、政治では重大な局面でこれがとられています。例えば、国会議員選出のグループ選挙区 (GRC) です。1つの選挙区で勝った政党が、4人~6人の議員を総取りできる制度ですが、GRCでは1人以上はマイノリティ民族、つまり中華系以外を立候補者に含めることが必須になっています。「民族にこだわらずに、国民の代表にふさわしい人を選ぶべき」というのがポリティカル・コレクトネスだという理解は、国民には浸透していますが、現実には同一民族への共感が少なからず発生します。その現実解だ、ということです。

中華系有力候補者外し!?

しかしながら、グループ選挙区は、マイノリティ民族の確実な選出を可能にしただけでなく、小選挙区以上に与党の一人勝ちを促進する効果もあります。前回総選挙は与党の得票率が約70%になったことが示すように、国民からの支持もあるのですが、議席占有率では93%と更に強固です。グループ選挙区は現在のシンガポールの一党支配体制を支えている仕掛けの一つです。
uniunichan.hatenablog.com

民族限定となった大統領選挙も、民族是正以外の狙いがあるという疑いを、反政府支持者は持っています。それが、前回の大統領選挙に、次点で落選した中華系のタン・チェンボク氏外しではないのか、ということです。
タン・チェンボク氏は医師出身で、以前は与党PAPから国会議員としても活動していましたが、前回大統領選挙では与党PAPが推薦したトニー・タン氏に敗れています。与党出身でありながらも、大統領選挙直前にあった国会議員総選挙では野党候補にアドバイスするなど、与党PAPとは一線を画しています。大統領選での得票の差はわずかに7千票であり、一党支配体制が続いていた与党PAPを震撼させました。
今回の大統領選挙には立候補を1年以上前から表明していおり、出馬すれば有力候補とみなされていましたが、マレー系のみが立候補できる選挙となり、立候補すら不可能に終わりました。タン・チェンボク氏は、大統領選挙の憲法改正に反対し、裁判もおこしましたが、敗訴となっています。タン・チェンボク氏は現在78歳であり、次回の大統領選挙が行われる6年後の出馬は難しいとみられています。

なお、タン・チェンボク氏の裁判での主張は「ウィー・キムウィー第四代大統領を、大統領選挙で民族指定が計算される5期連続のうちの最初の期としたのは憲法違反。なぜならウィー・キムウィー大統領は直接選挙でなく議会選出だから」というテクニカルなものでした。憲法自体が改正されているため違憲を主張できないからですが、「民族指定自体の妥当性」を争点としなかった法廷戦術は興味深いものがあります。
この「直接選挙からカウントすべき」という論点は、野党が国会で追求し、政府が裁判を促したのに応じたものです。野党は大統領選挙公示日に、「どちらの大統領から数えるかは、政治決定か法への疑問か」として議会の休会動議を出し、国会で論戦を再開しています。

シンガポール大統領の厳しい被選挙資格

歴史的経緯や文化背景の違いはあるのですが、ここでは日本とシンガポールの制度を比較します。
シンガポールの大統領は、血縁や宗教は選出の背景にありません。そのために、国民からの支持が重要です。支持を証明するための選挙が行われず、(日本の選挙もそうですが)信任投票の制度もないために、意思表示ができなかった国民は反発しました。
シンガポールの大統領選挙は、「年齢など最低限の資格をクリアすれば、誰でも立候補でき、国民が選出する」という選挙ではありません。日本国憲法に以下の条文があります。

第四十四条 両議院の議員及びその選挙人の資格は、法律でこれを定める。但し、人種、信条、性別、社会的身分、門地、教育、財産又は収入によつて差別してはならない。

シンガポールで立候補資格である、公職の最重要職経験や、民間大企業の代表経験は、日本国憲法であれば「社会的身分」に抵触すると考えられます。今回の大統領選挙では、申請者のうちの民間出身の2人が資本金要件を満たさず立候補を認められなかったのが、無投票当選になった理由です。残り2人の失格理由は、マレー系の証明書類の未提出です。
選挙権も被選挙権も、資格で足切りをするのではなく、年齢や刑法犯など最低限を満たせば、候補者自身の適正を全てひっくるめて国民が判断するのが、日本での民主主義です。
なお、シンガポールでも国政に権限がある国会議員では、被選挙権は厳しくないです。被選挙権がないのは、破産者、1年以上の禁固刑かS$2千以上の罰金を受けた人、重国籍者など、限定的です。

抗議集会

選挙が行われなかったことを受けて、野党支持者を中心に抗議集会が開かれました。特にこれに着目して「集会の自由が限定されているシンガポールでは珍しい抗議集会が開催されるほどの反発」という説明をするメディアがありましたが、妥当とはいえません。
ホンリョン公園にあるスピーカーズコーナー限定ですが、シンガポールでも、政治目的を含め集会を合法的に開催できます。最近であれば、水道料金の値上げで実施するぐらい、反政府側の定番アピール活動にすらなっています。大統領選への抗議参加者も、主催者発表で2千人、最大手ですが政府の影響下にあるストレイトタイムズ紙で数百人レベルであり、コアな反政府活動家しか、集まりませんでした。
また、抗議集会でも大統領選挙制度への抗議であって、選出のヤコブ氏への抗議ではありません。
大統領選挙への反発はありますが、これがただちに社会変革につながる段階ではない、ということです。

#NotMyPresident ?

ヤフーシンガポールストレイトタイムズ紙では、 #NotMyPresident というタグがSNSで使われている、とも報道しています。米国トランプ大統領選出の反発で使われたものが、シンガポールでも使われているということです。ところが、ヤフーシンガポールで取り上げたツイートでも、4件1件のリツイートしかありません。シンガポールでツイッターはそれほど人気では無いことを考慮しても、#NotMyPresident に広範な支持があるとは考えられません。

"明るい北朝鮮"を超えて

シンガポールを揶揄する"明るい北朝鮮"という表現があります。今回の大統領選挙を知ると「シンガポールは"明るい北朝鮮"だから」とレッテルを貼って、ドヤって終わる人がいます。
そもそも、「明るい北朝鮮"だから"」もなにも、シンガポールを"明るい北朝鮮"と呼ぶのは、日本でしか通じないガラパゴス表現です。「ブライト ノースコリア」とわざわざ英語での話の時にも持ち出す日本人が時々いますが、シンガポール人も知らない表現なので、理解されません。シンガポールは独立後一貫して自由主義陣営なので、シンガポールでも日本以外の他国でも、通じなくて当然です。

自国民も認識し、国際的にも知られている、シンガポールへの揶揄は"リトル・レッドドット"です。インドネシアのバハルディン大統領(当時)が、「(インドネシアと比べて)赤い点にすぎない小国」の意味合いで使い、それを受けてシンガポールのゴーチョクトン首相(当時)がアジア通貨危機を受けて苦しむインドネシアに「地図ではリトル・レッドドットの小国だが、できるかぎりインドネシアを助けよう」と発言したことで、「俺たちはリトル・レッドドットの小国なのにうまくやってるじゃねぇか」とポジティブな意味に変わってしまいました。
日本だと、「世界で最も成功した社会主義国」です。どんな国にでも揶揄する表現があります。

シンガポールは独立から一党支配が続き、国境なき記者団の世界報道自由ランキングで154位になるなど言論の自由への制限があるのは確かです。ですが、それは多民族国家でヘイトスピーチが引き起こす民族対立を抑止し、なにより選挙で国民が信任した結果でもあります。
完全な国、天国はこの世にありません。シンガポールも、経済成長は著しく治安は良好ですが、言論の自由に制約があります。米国も、自由と民主主義の擁護者ですが、銃社会と重い医療費負担に苦しんでいます。日本は深い歴史がおりなす豊かな文化・食事がありますが、過重労働と経済停滞から抜け出せません。お互いの国の違いを知って、認めあうことが大事です。
他国・他文化・他民族を理解する際に、レッテルから入るのは、最初期の段階ではとっかかりとしてやむを得ないかもしれません。ですが、レッテルに頼らずに、ご自身の言葉で表現できるようになることが、他国理解の第一歩です。レッテルを超えて、ご自身の感想・意見・理解を持たれる人が増えることを、シンガポール在住者として願っております。

時系列

最後に、今回の大統領選出での時系列です。
2016年

9月4日 リー・シェンロン首相がTV版部味で大統領選挙改憲提案について少数民族への大統領職予約権を示唆する
9月7日 憲法委員会が民選大統領制度の改正案を政府に提出。変更は、立候補資格として民間出身者は株主資本がS$1億以上の企業で会長かCEO経験者だったのが、改正案ではS$5億以上の株主資本の企業で執行権を持つ首脳経験者。3つの主要民族グループから5期30年間に大統領が誕生しなかった民族があれば、次の大統領選挙ではその民族グループからのみ立候補を認める。つまりマレー系のみが次回大統領選挙で立候補できる。

2017年

6月1日 シンガポール最有力紙ストレートタイムズが有力候補としてヤコブ氏の名前を憶測で出す
6月2日 ネットメディアが、ヤコブ氏の父がインド系、母がマレー系であるため「ヤコブ氏はマレー系か」「マレー系の定義とは」という疑問をなげかける
8月6日 ヤコブ国会議長が大統領選挙への立候補意志を表明。国会議長・国会議員を辞職し、与党PAPからも離党する。
8月7日 リー・シェンロン首相が、ヤコブ氏の公職と党からの退任を認める書面の中で、これまでの功績を称え、「当選すれば、尊厳を大統領職にもたらすと確信している」と事実上の推薦を公表する。
9月4日 選挙管理委員会は5人から選挙資格証明申請を受け取る。うち2人はマレー系との証明書がなく失格となる。
9月11日 選挙管理委員会は1人のみが有資格者として立候補を認める。ヤコブ氏の無投票当選が決まる。


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ナショナルギャラリー シンガポールでの大行列な草間彌生展と,ミシュランレストランOdette

2017年6月9日から9月3日まで、ナショナル・ギャラリー・シンガポールにて草間彌生展「LIFE IS THE HEART OF A RAINBOW」が開催されています。

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ナショナル・ギャラリー・シンガポール

ナショナル・ギャラリー・シンガポールは、シンガポール国営の芸術施設です。ギャラリーとして開館したのは2015年と最近ですが、旧最高裁判所と市庁舎(シティホール)の歴史ある建物を約400億円(S$5.32億)かけて改築しました。シンガポールはゼニカネの経済一辺倒で、"芸術砂漠"とかつては評価されてきましたが、一通り豊かになったことで文化振興にも国が力を入れていることが分かります。

シティホールと太平洋戦争

シティホールは、日本とも因縁がある場所です。太平洋戦争で日本はシンガポールを占領し、昭南島と名前を変えます。1945年9月12日に、イギリスのルイス・マウントバッテンが第7方面軍司令官板垣征四郎と太平洋戦争の降伏文書を交わしたのがシティホールです。その時の様子は、シロソ砦の展示で、ろう人形として再現されています。

ナショナル・ギャラリーにあるミシュランレストラン Odette

私が草間彌生展を訪れたのは、展示の終わりまであと1週間に迫ってきた土曜日の午後でした。開催期間が3ヶ月あったのに遅れたのは、ナショナル・ギャラリー内にOdetteというレストランがあり、あわせて行きたかったからです。このOdetteはシンガポールのミシュランで、2つ星レストランです。シンガポールは有名レストランでも一週間あれば、予約は割りと簡単に入るのですが、Odetteはそうではなく。予約が1ヶ月先でないと入らず、しかも私事情で日程変更があり、更に伸びてこの日になりました。
シンガポールでは数少ないファインダイニングです。問い合わせへの回答は迅速で、食事中のサービスは笑顔でします。これがシンガポールではかなり難易度が高いのは、居住者にはご存知のはず。モダンフレンチで、食事は口あたりは軽いのですが、それでも多少は重く、晩ご飯はざる蕎麦にしました(笑
お値段は、

  • 平日ランチ S$98++
  • 土曜ランチ S$158++
  • 平日ディナー $228++
  • 金土ディナー $268++

からと、値段によってコースの皿数が変わり、それなりです。日本だと公共性が高い施設に、来客が限定されるレストランがあれば一悶着ありそうですが、シンガポールではそうなってません。
予約が取りにくいのは、店で聞いたのですが、テーブルが12と個室しかないためでした。時間帯にテーブルは1回転しかしません。客層はカップルか女性コンビ。シンガポール特有のジーンズ・ビーサンは見かけませんでしたw
メニュー
ニュージーランド産の有機卵がスモークで派手に
メインディッシュのラム

草間彌生展「LIFE IS THE HEART OF A RAINBOW」

大混雑!

食事を終えて、地下の草間彌生展のチケット受け取りに向かいます。かなり混んでおり、ネットで事前購入すべきと聞いていたので、「90分待ち」のチケット購入の列を横目に優先列でチケットを引き取ります。お値段は事前購入でもチケットカウンターで買っても、外国人はS$25、国民と永住者PRは$15です。
ですが、勝負はここからでした。中に入って驚くことになります。ナショナル・ギャラリーの3階を全部使って展示が行われているのですが、各展示場に入るのに、更にまた行列があるのです。
行列の先が見えませんw しかもこの狭い廊下に人が密集して待っていたので、冷房の効きが悪くむっとした空気になっているおまけ付き。このツイッターの画像での列では、結局1時間待ちで入れましたが、それでも1時間です。トータルで4時間ほど滞在しましたが、うち2時間以上は列に並んでいたはずです。

作品

展示自体は分かりやすくておもしろく、長蛇の列に並んだかいがありました。

  • ミラーボール「ナルシスの庭」

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  • I Want To Love on The Festival Night

箱をのぞきます。中の色がくるくると変わる。
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  • かぼちゃ

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  • The Spirits of the Pumpkins Descended into the Heavens

箱をのぞきます。鏡を使って、かぼちゃだらけ。
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  • マンハッタン自殺未遂常習犯の歌

自作の歌を歌っているだけなのに、お姿のどアップと背後のサイケデリックな画面で、シンガポール人の度肝を抜く草間彌生氏。
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日本語の歌に圧倒されるシンガポール人。シュール。
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なぜシンガポールでこんなに大人気?

来場者の大半はシンガポール人。日本人は見ませんでした。
草間彌生氏が世界的なアーチストだとしても、この混雑はかなりのものです。事前のメディア広報はありました。とはいえ、なぜシンガポールでこんなに人気が出たのか、私には分かりませんが、インスタグラム受けが良いのでその写真撮りに行ってるのが理由の一つなのでしょう。これらだけでは説明できないと思われます。

シンガポールにある草間彌生作品

ナショナル・ギャラリーに行かなくとも、展示期間終了後でも、草間彌生作品をシンガポールで見ることができます。オーチャードセントラルの屋上庭園です。人が少なく、景色も結構良いので、この場所は私は好きです。
www.instagram.com

混雑対策

私が訪れた日は、シンガポールナイトフェスティバルも近くで行われており、両方行く人で混雑が増した可能性もあります。それでも、今から行く人は下記を検討ください。

  • チケットの事前購入: 優先カウンターで即座にチケットが引き取れます。価格は同一。事前購入はこちらから。
  • メンバーシップ: ナショナル・ギャラリーのメンバー(Gallery Insider)加入を検討しましょう。外国人$75、国民と永住者PRは$30で、1年間は特別展示も含め無料になり、優先入場ができます。つまりPRなら、$15プラスすると長蛇の列を飛ばせるのは、加入検討の余地ありです。私はすいすい列を飛ばされて、うらやんでました… また、文化振興と居住地に貢献している満足感を味わえます。小さな自己満足ですが、ミニパトロンになることも大事なはずです。

この対策がとれなければ、平日開館直後(せめて午前中)に行くのが、もっとも空いているようです。

追記

9月3日に展覧会が終了しました。総来場者数は23万5千人にものぼったということです。シンガポールの人口は561万人なので、25人に1人が見に行った計算になります。すごい。


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シンガポールのシェアリングエコノミー ~自転車編~

うにうに@シンガポールウォッチャーです。シンガポールでのシェアリングエコノミーの話を、最近話題の自転車を中心にします。

シェアリングエコノミーにシンガポールは全面歓迎ではない

世の中はシェアリングエコノミーブーム。期待と警戒が相まみえています。シンガポールは「規制がゆるゆか」と思われがちなのですが、是々非々なのが実情です。例えば、配車アプリのUberやGrabは推進されつつも、職業免許や健康診断などの環境整備が進行中ですがが、その一方で民泊は違法です。有名無実になっていた「賃貸契約は6ヶ月以上」という規制条項を強化し、民泊を取り締まっています。

Uber普及で不利益を受けるのは既存業界(タクシー)であって、民泊で不利益を受けるのは近隣住民という違いは大きいです。シンガポールは既得権保護が、日本よりはるかに弱い国です
隣家が民泊をはじめて、不特定多数が居住区に出入りするようになれば、それは特にセキュリティがあるようなマンション(コンドミニアム)では、近隣にストレスを与えることは間違いないです。それに加えて、都市国家のシンガポールで宿泊施設を利用するのは外国人であり、外国人の居所は管理しておきたいという政府事情もあると、私は見ています。
そうでありながら、エアビーアンドビー社のアジア地域本社がシンガポールにあるのが、シンガポール(とエアビーアンドビー社)の商魂たくましいところです。シンガポール経済開発庁(EDB)は「どうしてサービスを提供していない国に、エアビーアンドビー社はアジア本社を置いたのか?」というページすら作っています。低税率国というのが大きいのでしょうが、ビジネスの現場がある国と管理をする国は別でもいいわけです。多国籍の高品質な人材を採用できるシンガポールが有利だと延べられています。

レンタサイクル2.0 ?!

シンガポールでのシェアリングエコノミーの次なる波は自転車です。レンタサイクル扱いは本望ではないようです。私が使ったoBikeでのレンタサイクルとの違いです。

  1. そこらに駐輪されている自転車を、利用可能。
  2. 借りた所以外でも、公共駐輪場に駐輪して利用終了ができる。
  3. 自転車にGPSが装備されていて、利用可能な自転車が携帯アプリの地図で分かる
  4. 自転車を借りる時には、携帯アプリで自転車はQRコードをスキャンして、Bluetoothで鍵を解錠

自転車に慣れてないシンガポール

シンガポールに移ってきた日本人が移動で面食らうのは、「その距離だったら自転車で」と思ってしまうことです。そして「こっちの人は自転車に乗らないから」と言われるのです。シンガポールで自転車は普及率が低いです。私の観測では、自転車を持っていない家庭の方が多く、たまに自転車に乗れないシンガポール人にあうことがあるぐらいです。
シンガポールにおいて自転車とは、日本でのママチャリでの通勤・通学・買い物・駅への移動といった近所移動の足ではなく、娯楽やスポーツなのです。週末にイーストコーストでレンタサイクルか、高級自転車でのレーサーです。こうなったのは、

  1. 突然のスコールがあること
  2. 自転車運転には暑すぎること
  3. バス網が発達していること

を私はあげます。
(参考) The Straits Times: 5 reasons Singapore is not a cycling nation yet

自転車ではない交通手段としてあるのが、国の津々浦々に停留所があるバスです。なので、例えば通勤だと、
・自宅→バス→MRT(鉄道)→バス→オフィス
という経路は一般的です。これはシンガポールでMRT・バス運賃が安く、しかも乗り継ぎ運賃があるのも助けになっています。シンガポール版スイカのEzLinkカードを使うと、初乗りは$0.77 (約60円) です。通勤には、片道$2(160円)以内に収まる人が大半なはずです。都市国家のシンガポールでは、渋滞抑制のため車は総量規制がされています。車両所有権(COE)はオークションで価格が決まるため、カローラが約800万円しますが、公共交通機関は安価なのです。

oBikeに乗ってみた

というわけで、乗ってみましたシェア自転車です。シンガポールでは、他にofo社やmobike社と合計3社が運営しています。中国発のmobikeにはシンガポール政府系投資会社のテマセクが出資もしています。私が使ったのはoBike。黄色のカラーリングが印象的です。
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まずはアプリを携帯に導入します。クレジットカードを登録して、デポジットに$49を支払います。デポジットは請求すると返金されます。自転車を不正利用しないための保証金ですね。アプリでは、下記の画像のように、近くにある自転車が無数に表示されます。本来は、公共駐輪場にしかないはずですが、至る所に放置されているのがミソです。

この地図から都合の良い自転車を探して、自転車についているQRコードを携帯アプリでスキャンすると、解錠され乗れるようになります。自転車を見つけるまでに誰かに先に利用されないように、10分間の無料予約もアプリでできるのがウリになっています。
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お値段は15分$0.5と、バスと比べると安いとは言えないお値段。
これまで行くのが面倒だった自転車むきの所に、スイスイいけます。たまに自転車に乗ると楽しい。日本では高層ビルが立ち並ぶ金融国として知られているシンガポールですが、元は南の島。ジャングルの入り口あたりまでなら自転車でウロウロでき、おさるさんにも出会えます。
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乗り終わり自転車を施錠すると、そこで課金になります。今回は週末プロモーションで無料でした。走行距離と消費カロリーが表示されるのが、GPSの威力です。

乗ってわかった課題:公共駐輪場以外の乗り捨ての扱い

シンガポールでシェア自転車が話題になっているのは、ここ数週間で街のあちこちで突如目にするようになったためです。oBike社の指示としては、この自転車は指定の公共駐輪場にしか駐輪できません。利用可能な駐輪場は、携帯アプリの地図にも表示されていますし、「公共駐輪場に戻すように」という内容も記載されています。oBike社は

  1. MRT駅の公共駐輪場
  2. 国民の8割が住む公団(HDB)1階にある、公共駐輪場
  3. ショッピングモールの公共駐輪場

に駐輪するようにサイトにも記載しています。「無料で誰もがアクセスできる公共の駐輪場に止めろ」ということです。
しかし、大半の利用者は守っていないのが現状です。今回のサイクリングでも、放置自転車が政府(LTA)に警告の張り紙を受けているのを見つけました。
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指定の駐輪場を利用しないことに加えて、悪質な利用者も話題になっています。壊れた自転車が放置されている写真が、写真投稿サイトに掲載されました。

oBikeでは「クレジットポイント」という、不適切な駐輪・施錠忘れ・盗難は減点され、不適切な駐輪通報・壊れた自転車通報・知人へのアプリ紹介は加点される制度を導入しました。100点から始まり、79点以下だと、本来は15分$0.5の価格が$5と十倍に跳ね上がり、60点未満だと百倍の$50になります。

Mobike社のシェア自転車では、公共駐輪場以外で駐輪しようとすると、携帯アプリに警告が出る機能が加わりました。
シェア自転車が先行している中国では、不適切駐輪の自転車を回収しているようです。シンガポールでも回収や、指定駐輪場以外では自転車をロックできないなどの対応が、今後は求められるのではないでしょうか。

シンガポールでの自転車の課題

シンガポール政府は自転車を推進しようとしています。渋滞に強く、燃料要らずでグリーンな印象が政府にはあるようです。
駅の駐輪場は無料です。ですが、既存の駅には40台から100台しか駐輪できる場所がありません。日本と比べるとゼロが一つ以上足りません。土地が日本より高額なシンガポールで駐輪場整備はかなり大変なはずです。
また、日本人は自転車の危険を前提に生活していますが、例えば東京都での交通事故比率の32.1%は自転車が関係しています。シンガポールでバスが起こす事故もありますが、人身事故の危険性は自転車が高いはずです。電動キックボードの事故が日本でも騒がれたのは、たとえ全体の事故数からしても微々たるものであっても、新しい危険で目を引いたからです。自転車が関係する事故が増えると、シンガポールは自転車という"新しい危険"を許容する必要があります。

日本での自転車の大変さを経験した私から見ると、せっかく構築したシンガポールでの安価で便利なバスが勿体無いです。シンガポールにはバス社会の方が向いているのでは、というのが私の印象です。


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