今日もシンガポールまみれ

日本のあっち、シンガポールのこっち

シンガポール在住者向け節税のSRS退職金制度が人気が無い理由

みなさん、年金払ってますか?w うにうに @ シンガポールウォッチャーです。

日本の年金は壊滅しており、現役世代は払った分だけ還元が見込まれないのに、会社員はガッツリとられる状況になっている現状への説明は今更です。
「厚生年金は完全アウトでも、国民年金はまだトントンになるのでは」という説もあり、国民年金はクレジットカード払いができ、賭け金が安く、障害年金も付いてくることから、海外在住日本人でも継続払いをしている人はいます。日本の所得がある駐在だと、厚生年金から逃げられないわけですが。
それを理由に、無年金となる現地採用者も多いのですが、人間は意思が弱いので、老後に備えて貯金や投資を続け引き落とさないのは本当に大変です。
シンガポール在住日本人が「税金やすー」という言う時、単にシンガポールで外国人は社会保障費を負担していないからです。国民健康保険もありませんし、年金も未加入です。給与の最大20%がCPF(年金)に強制天引きされるシンガポール人は、それほど軽税国だと感じていません。税が低い実感があるのは、CPFが最大徴収される月給$6千を抜けた人たちです。

シンガポール在住の外国人向け節税

タックスヘイブンで知られるシンガポールです。もともと、税金は安いのですが、そこから多少安くする節税があります。こちらで税当局の内国歳入庁 (IRAS) 自身がまとめています。
・IRAS: Tax reliefs

有名なのはCPF(年金)への支出でしょう。支出分が所得税から控除されます。とはいっても、CPF加入できるのは永住者PRが対象で、一般の外国人には使えません。
外国人が使えるものは下記です。所得税控除の上限は、一切合切を含めて$8万です。

外国人も使える節税
1. SRS拠出 最大 $35,700
2. 生命保険(CPF拠出が$5千以下の人が対象のため、外国人は対象) 最大 $5,000
3. Qualifying Child Relief (QCR)/Handicapped Child Relief (HCR)(障害児への控除) 最大 $4,000
4. Foreign Domestic Worker Levy (FDWL) Relief (メイド雇用税の控除) 最大 $10,800
5. 寄付 寄付額の250%
6. 授業料 最大 $5,500

シンガポールの退職金制度SRS

その中に今回のテーマSRSがあります。正式名称はSupplementary Retirement Scheme。無理やり和訳すると、「補助退職積立金」ですが、SRSでしょう。勤務先が積み立てる退職金制度が一般にないシンガポールで、自分で積み立てて退職後に備える投資口座です。ごく小数の企業ですが、退職金として、一部給料に代わり、SRSに振込をする企業もあります。

一般に、長期滞在外国人に、年金や退職金制度を先進国は用意しています。シンガポールのCPFは、国民か永住者PRでないと加入できなくなりました。口座の種類により、政府元本保証で利息4%とお得なのですが、国の運用額が増えすぎており、これ以上運用額を増やしたくないからだと、私は理解しています。
CPFに加入できない外国人も入れるのが、SRSです。なので、国民・永住者より、外国人の方が、SRSには優遇されています。
SRSの外国人優遇は2つあります。国民・永住者の年間SRS利用額が$15,300であるのに対し、外国人は倍以上の$35,700もあります。SRSの所得税からの控除は、SRS口座を持つ銀行がIRASに自動で行うため、枠が大きい外国人は「私は国民・永住者ではありません」という宣言が必要です。
もうひとつの優遇が、外国人のみが「税金半額で引き下ろし可能になるのが、積立から10年後」というものです。国民・永住者は、定年年齢になる63歳以降という長期で待つ必要があります。

SRSの長所と短所を箇条書します。これで、なぜ人気がないかは簡単に分かりますw

SRSメリット SRSデメリット
・拠出した翌年の所得税が減税される。
・SRS引き下ろし時の税が、半額になる。
・居住者は引き下ろしを長期間に分散し、年引き落としを$4万未満に抑えると、実質無税になる。
・駐在員は、勤務国の税負担を勤務先がしていることが多く、税控除にメリットがない。
・所得税の減税でなく繰り延べ
・キャピタルゲイン非課税のシンガポールなのにキャピタルゲインに課税される。
・早期引き下ろしでペナルティ5%。
・非居住者が引き出せば、50%減税後でも源泉徴収が11%
・源泉徴収7.5%の優遇を受けるには、その年に他の収入があってはならない。
・運用手数料が高い。金融商品の選択肢が少ない。
日本で引き出せば確定申告が必要。

シンガポール在住日本人の8割ぐらいが、駐在員とその家族と思います(私の印象)。短所の一番目で「職場が駐在員の勤務国税負担をする福利厚生が一般的で、駐在員に税控除のメリットが個人的にない」で、4万人弱しかいないシンガポール在住日本人の大半が「ハイ、解散」になるわけですw

残り2割の現地採用と自営業でも、メリットは所得税の繰り延べなので、そこそこ稼いでいる人にしか利用動機はありません。源泉徴収11%への覚悟が外国人には必要なため、年収S$8万(税率11.5%)から考える人がでてきて、$12万(15%)から利用する人が増える印象です。別の表現をすると「Sパスや、月収$1万未満はメリットが薄い」ということです。
具体的に、いくら所得税の控除を受けられるかは、DBSサイトで計算できます。
・DBS: Supplementary Retirement Scheme (SRS) Investment

永住権PR持ちだとCPFを利用可能なので、CPFへの追加拠出で所得税控除が簡単に受けられます。SRSは自分で運用が必要になるので、それが好みの人もいるでしょうが、所得税節税目的なら「国家の元本保証で4%確約のCPF」を利用しつくしてはじめて、SRSを考慮すべきだと私は思います。

SRSは自己運用

SRS政府サイト

SRSについては、IRAS (内国歳入庁) があっさりとしたページを作っています。
・内国歳入庁 (IRAS): SRS contributions and tax relief
・内国歳入庁 (IRAS): Tax on SRS withdrawals

この2ページに加えて、財務省MOFのFAQページがあります。これが政府の主なページで、制度への大半の疑問にはここで回答が得られます。
・MOF(財務省): FAQ: SRS

三大銀行にSRS口座を開こう

SRSは運用を自分でします。まずは、SRS口座をローカル銀行と呼ばれる、DBS・OCBC・UOBのいずれかで開きます。シンガポール就労者は、この三大銀行のどこかに銀行口座を既に持っているはずで、銀行口座を持っている銀行だと、ネットぽちーでSRS口座を開設できます。SRS口座に好きな金額を移して、運用開始です。定期的にお金を入れる必要や、決まった額を入れる必要はありません。国民・永住者PRは年$15,300、外国人は年$35,700という上限以内で、好きな時に好きなだけ入れればよいのです。

早期引き出しペナルティ5%の解除法

SRSは、いつでもお金を拠出でき、いつでもお金を引き出せます。ですが、「早期引き下ろしをするとペナルティ5%が発生する」のが最初の注意です。ペナルティがかからないのは、死亡・障害など医療理由・末期疾患・破産ぐらいとかなり制限されています。外国人や永住者がシンガポールから去る時でも、免除されません。
「10年以降で一括引き出しであればペナルティがかからない」という外国人のみの特典があります。SRSへの最初の入金をしてから10年で、しかも全額引き落とし (lump sum) でなければなりません。

永住者PRや国民では、口座を開いて10年たっても、ペナルティ無しでおろせる特典はありません。2022年に口座開設すると、ペナルティ解除で引き出せるのは63歳以降です。SRS口座を開いた年によって、何歳からペナルティ無しで引き下ろせるかが確定します。63歳というのは、シンガポールの定年の年齢です。高齢化で定年が伸びており、SRSの引き出しをペナルティ無しにするには、今後は年齢が上がることになります。退職金制度ですからね。

自己運用

そして、税の繰り延べに目がくらんで、お金をSRS口座に移すだけだと、SRS口座がある銀行からの0.05%という悲惨な金利しかつきません。シンガポールはインフレがあるので、0.05%だと余裕でインフレ負けします。SRSに移したお金は、株式なりでの運用が必須です。これが、寝てても4%もらえるCPFとの違いです。

購入できる金融商品は、債権・シンガポール政府国債(SGSとSSB)・定期・外貨定期・株式・一括払い保険・投資信託と、DBSは説明しています。
現在、金利高騰でシンガポール政府国債のT-Billが人気ですが、これは対象外です。
株や債権では、銀行のSRS口座を開いた後に、DBS VickersやFSMOneといった証券会社に更にSRS口座を開いて、銀行口座から送金して、証券口座で資金運用をすることになります。

所得税の繰り延べ効果と源泉徴収

居住者の所得税計算

お金の引き下ろしを開始すると、引き下ろし終了までの猶予期間は10年です。この10年は、引き下ろし時にシンガポール在住を継続している人には大事です。
SRSは税の繰り延べです。例えば、現役時代に年$15万稼いでいた人は、最高税率が15%です。ここから$1万をSRSに入れると、翌年支払う所得税から15%の$1,500が減税されますが、それはSRS引き下ろし時に所得税を先送りしているに過ぎません。
$1万を20年間SRSに入れていた人が、収入が$0になった引退後に、例えば65歳で引き下ろすことにします。$20万を一気に下ろすと、(後述するSRS特典の税額半額で)所得税で$10万分に換算されます。半額後でも、最高税率11.5%になり、$5,650の税がかかります。
ところが、シンガポールで所得税がかかるのは年収$2万以上です。ですので、SRSからの収入では、所得税への加算は半額になるため、年の引き下ろしを$4万未満に抑え、$20万を5年に分けて引き下ろすと、所得税は無税です。税の支払時期を人生の後半に遅らせることで、最高税率を下げることができます。これが税の繰り延べ効果です。「でかい金を一気に持つと、無駄遣いする奴が出てくるからな」という政府の意図も当然あるでしょう。SRSの引き出し期間は10年のため、$4万 x 10年で、$40万以上がSRSにある人は引き出し時の課税に注意が必要です。
また、シンガポールで賃貸収入は、所得税に総合課税されます。老後に賃貸収入を考えている人には、SRSとの相性は悪いです。

・内国歳入庁 (IRAS): Individual Income Tax rates
・内国歳入庁 (IRSA): Tax Calculator for Resident Individuals (Excelでの所得税計算)

非居住者への源泉徴収

これは非居住者では異なります。外国人の9割以上は、SRSがペナルティ無しで引き出せるようになる10年後には、シンガポールから出国しているでしょう。外国人と永住者PRがSRSを引き下ろす時に、シンガポール政府は(税のとりっぱくれがないように通常の確定申告ではなく)源泉徴収をします。
非居住者源泉徴収は、通常では(累進課税でなく)フラットに22%、優遇が付けば15%です。10年SRSに入れて置いたのを一括引き出しすると、SRS特典で半額の11%か7.5%になります。

12月になると議論が始まるSRS

SRSが議論になるのは毎年12月と決まっています。理由は、SRSをする人の大半は税の繰り延べ目的で、シンガポールの税は1月~12月換算だからです。なので、12月に駆け込みで「SRSに加入するか」「いくらSRSにいれるか」「入れたお金をどう運用するか」の話に突然なるのです。

トラップだらけのSRS

SRSの困った所は、トラップだらけだと言うことです。トラップとは想定外の負担が発生することを、私は指しています。デメリットを更に列挙しますが、これが全てではない可能性があります(高いです)。引き下ろしの時や、シンガポールから出国後であれば居住国の税制などで、想定外の負担が発生する可能性があります。
私が把握できているものを解説します。今後、他にトラップに気づけば、随時、追記しますので、お気づきがあれば教えてください m(_ _)m

デメリット: 所得税の減税でなく繰り延べ。

「SRSは減税」という説明をよくされますが、正確には「繰り延べ」です。
SRS口座に移した額が、翌年の所得税から控除されます。ですが、SRS口座から引き出す時に課税されるからです。大半の人には結果として減税になりますが、正確には繰り延べです。

デメリット: キャピタルゲイン非課税のシンガポールなのに、キャピタルゲインに課税される。

これが最大のトラップです。SRSを説明する銀行は説明を避けていますし、政府も細かいFAQのすみっこにしか書いていません。
SRS口座に移した額は、翌年の所得税から控除されます。ところが、引き出す時の課税は、"SRS口座に移したもともとの額で"はなく、"引き出した額"に対してです。"引き出した額"には運用益も含まれているので、キャピタルゲイン(運用益)課税です。
居住者には所得税への累進での総合課税、非居住者には一律フラット税率で源泉徴収されます。
シンガポールは、世界に名だたるキャピタルゲイン非課税国として、投資家・富裕層の寵愛を受けていますが、そのメリットがパーなのがSRSです。
そのため、SRSでは国債や定期預金のような運用益が小さいものを行い、SRS外で大きな運用益を期待できる投資を行うのが良いです。

・財務省MOF: Is the Government taxing capital gains with the introduction of SRS?

なお、「SRSはシンガポール版iDeCo」と説明する日本人がいますが、iDeCoと違って「SRSはキャピタルゲイン課税」という致命的なギャップがあるので、iDeCoだけでは説明に不十分です。

デメリット: 非居住者が引き出せば、50%減税後でも源泉徴収で11%

デメリット: 源泉徴収の優遇を受けるには、その年に他の収入があってはならない。

外国人と永住者PRには、引き出し時に源泉徴収で税を納付します。税率は、在住者は累進で他の所得と合算される総合課税ですが、外国人と永住者PRは源泉徴収され、金額にかかわらずフラットに22%です。後述する半額後に11%になります。
優遇 (concession) で15%に減額される条件があり、半額後に7.5%になりますが、この優遇条件が曲者です。下記2つをともに満たす必要があります。

1) 暦(1~12月)で1年間の引き出し額が$20万未満
2) 該当の暦年の間に、SRS以外に収入がないこと

普通は無理ですね、2番目の条件がまず達成不可能です。定年になってからだと日本の年金を受け取っているとアウトですし、現役世代だと現役世代なのに無収入である必要があります。優遇を受けられる人はごく限定されるはずです。

SRSをする外国人は年収$12万以上であるべき

さすがに22%では終わりません。満期で課税が半額になります。外国人は、SRS口座にお金を拠出してから10年以上所持し、全額を一括引き落としすれば、税額が半額になります。永住者PRの場合は、SRS口座開設時の年によっても異なりますが、今は63歳以降での引き落としで、税額が半額です。つまり、$10万貯めていれば、税が22%だったのが半額の11%になり、$2.2万が$1.1万になります。
(注: 正確には、IRASやMOFは「税率が半分」と説明・計算しておらず、「課税額を半額にする」という説明・計算です。フラットな一律税率であり、どちらの計算方法でも税額は同じなため、分かりやすい「税率が半分」と私はここで表記しています)

この場合、一括引き落としが条件なので、総額$10万から、引き落とし額を$4万以下に分散して無税を狙うことはできません。それに、この源泉徴収は累進でなくフラットに一律適応されるので、引き落としを複数年に分散させるメリットもありません。なので、減税目的でSRSをする外国人は、課税が11.5%(年収$8万)の次の段階である15%(年収$12万)以上であるべきです。

年収が$12万未満の場合、SRSをするモチベーションは、「どうせ投資をしている」から「ついでに所得税の減税も」ということになります。$12万未満で減税のメリットを得るには、源泉徴収11%を回避するために、引き出し時に居住している必要があります。10年後にシンガポールに住んでいるかどうかを分かる外国人は、少数です。キャピタルゲインに課税されず、10年の拘束期間がなく、手数料が安価で、商品選択が豊富な、SRSを通さない通常の投資が良いはずです。おすすめできません。

非居住者と居住外国人の税制
SRSに$210,630以上ある非居住者は不利

引き出し時に非居住者(外国人と永住者PR)は、源泉徴収されます。特に現役世代であれば、11%源泉徴収が得なケースもあるはずですが、源泉徴収か所得税かは高額な方で徴収すると、IRASは言っています。2023年の所得税率では、フラットな11%の税率に相当する収入は$210,630で、税額$23,169です。その年に他にシンガポールでの収入がなくとも、$210,630以上を一括引き落としすると、源泉徴収11%でなく所得税額で徴収されます。毎年の外国人の納付上限$35,700なので、運用益を考慮しなければ、$210,630には6年で到達します。
源泉徴収11%以上の税を払いたくなければ、63歳以降に分割引き出しができるようになるのを、外国人であっても待つ必要があります。そして、複数年に分散して、年$210,630未満で引き出すことになります。可能であれば、所得税がかからない$4万未満が節税には望ましいです。

引き出し時に居住者である外国人は、

  • 口座開始10年以上後に、一括引き出し。
  • 63歳以降に、一括引き出しか、複数年に分割して引き出し。

のどちらかになります。どちらも引き出し時に、外国人と永住者PRは問答無用で一旦は源泉徴収されますが、在住者なので、翌年の確定申告で所得税額に修正されます。
SRSに参加している居住外国人の大半は、仕事があるはずです。SRS以外に給与収入などがある人は、合算して所得税額が決まるので、不利です。一括引き出しでは、半額後のSRSと他の所得を合算して$210,630以上であれば、不利になります。その場合、63歳以降での分割引き出しか、非居住者になってからの引き出しを考えることになります。合算後に$210,630未満を確定申告すれば、非居住者の源泉徴収より有利です。
実際問題、永住権を持たない外国人が、63歳以降にシンガポールに在住するのはかなり難しいです。自営での就労ビザか親族ビザでの滞在になるはずです。

(注) For a non-resident, the actual tax payable on the SRS withdrawal will be 15% or the progressive resident rates, whichever is higher.
というIRASMOFの記述があります。これだけを読むと「外国人は22%でなく"常に"15%の優遇税率で源泉徴収され、そこから半額になると7.5%では」という期待ができますが、説明不足(不正確)だと私は考えています。15%になる2条件が別に明記されているため、それを満たしていなければ15%にならないからです。

デメリット: 運用手数料が高い。
デメリット: 購入可能な金融商品の選択肢が少ない。

SRSではシンガポール国外の金融商品も購入できますが、海外投資は対象外です。
シンガポール証券取引所SGXは、外国人には土地勘がないので敷居が高く、盛り上がっている商品は一部に限られます。そんな中でも、超長期投資になるため、SGXにあるS&P 500 ETFのS27を買って、寝かしておきたいですよね。FSMoneというSRSでも使える格安証券会社がありますが、FSMoneではS27を買えません。DBS Vickersからなら、S27が買えますが、お高め手数料になります。
SRSで買える商品が少ない、という苦情は政府も知っていて、回答は「政府は制限をそんなにしてないから、政府のせいじゃない。販売会社に文句を言え」とのことです。

SRSから買った株や保険などの配当も、SRS口座に入ります。(制限なく使える)通常の銀行口座には入りません。株などを売っても、SRS口座に入るので同様です。なので、引き出すには、期間の条件を満たしていなければ5%のペナルティがとられます。よって、SRSの中で再投資をしていくのが賢明です。
・MOF: Will the monthly payouts from an annuity bought with SRS funds be paid into my SRS account, or can they be paid into my bank account directly?

デメリット: 日本で確定申告が必要

シンガポールに源泉徴収で納税済みであり、日本では課税されません。日本シンガポール租税条約で、退職年金は二重課税されない明記があるためです。よかったですね。

第十八条
次条2の規定が適用される場合を除くほか、過去の勤務につき一方の締約国の居住者に支払われる退職年金その他これに類する報酬及び一方の締約国の居住者に支払われる保険年金に対しては、当該一方の締約国においてのみ租税を課することができる。
・財務省 (日本): 「税源浸食及び利益移転を防止するための租税条約関連措置を実施するための多数国間条約」及び「所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国政府とシンガポール共和国政府との間の協定」に係る統合条文 (PDF)

SRSの受け取りを日本居住時にすると、たとえ日本での課税が発生しなくても、日本に確定申告が必要です。面倒です。

外国において支払われる公的年金等は、源泉徴収の対象とならないため、この支給を受けている方は、確定申告を行う必要があります。

以上です。
国民には、高所得者ほど優遇が大きいものの、年収が$2万以上あれば多少はメリットがあります。外国人の場合は、完全に高所得者優遇税制になっています。
SRS、する気、壊滅したと思います (笑)

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