今日もシンガポールまみれ

日本のあっち、シンガポールのこっち

シンガポール外交に蜜月をもたらした安倍政権を、当時の記事で振り返る

うにうに @ シンガポールウォッチャーです。
安倍晋三首相が辞職します。2012年12月26日に第二次安倍内閣が発足し、このブログの開始が2012年9月です。安倍政権をシンガポールから見てきたブログでもあります。

安倍首相とリー・シェンロン首相は仲良し

リー・シェンロン首相は安倍首相退任に、コメントを出しました。


リー・シェンロン首相のFacebook投稿を全訳します。「ミスター安倍」と「安倍 san」を使い分けています。

健康事情で、日本の安倍晋三首相が公務から退くことを聞いて残念に思っています。
9年間に渡って、安倍氏 (Mr Abe) と私は緊密に働いてきました。彼のリーダーシップのもとで、我々の二国間関係は深まりました。最後に会ったのは昨年11月です。最近では、COVID-19でのASEANプラス3のバーチャルサミットでオンラインでお会いしています。
米国がもともとあったTPP協議を抜けた後に、CPTPP (環太平洋パートナーシップに関する包括的及び先進的な協定) をまとめる重要な役割を安倍氏 (Mr Abe) は果たしました。
治療によって、安倍さん (Abe-san) が回復されることを祈っております。
(2019年、大阪でのG20サミットの写真)

安倍首相(65歳)とリー・シェンロン首相(68歳)は仲良しです。近年はそうでもないのですが、2014年前後はかなり頻繁に会っていました。
「年も近いし、政治家家系同士で境遇が近いから話があうんじゃ」が在野の憶測です。
リー・シェンロン首相は、2006年に北海道観光、2013年6月には富士山観光、2015年に再度の北海道観光、2016年に軽井沢観光をしています。いずれも公務渡航でのついでではなく、プライベートの休暇です。日本文化を評価するシンガポール人の一人です。
uniunichan.hatenablog.com
リー・シェンロン首相も、70歳を前に首相から退くことを宣言しています。一線から退いたお二人が、日本で鮨をつまむ姿が観察されれば、日本とシンガポールの関係を考えた時に、シンガポールウォッチャーとしては胸に迫るものがあります。実現を勝手に望んでいます。

シンガポールとの蜜月を築いた"外交の安倍"

振り返ってみると、2013年の安倍首相の靖国参拝はありましたが、それ以外では日本・シンガポールは外交の蜜月でした。シンガポールに住んでいて、日本人であることで肩身が狭い思いをしたことは、(太平洋戦争が理由のものはありますが)安倍政権を理由にしたものはありませんでした。
とりわけ、2015年、リー・クアンユー初代首相の国葬という近年のシンガポールで極めて重要だった行事に、国会期間中で国内一部から「無責任」と罵られたにもかかわらず、週末に日帰りで政府専用機で安倍首相は国葬に参加しました。在シンガポール日本人として、感謝しかありません。


国内での安倍政権の政策や不祥事対応には全く賛同していませんが、海外に住むことで恩恵を受けていたと思っています。

「安倍のリーダーシップで二国関係が花開いた」と評価した地元紙

シンガポールでの最有力紙ストレートタイムズ紙の東京特派員が書いた記事でも肯定的な評価になっています。『日本とシンガポールの結びつきは、安倍のリーダーシップで花開いた』という記事です。

  • 2016年にナザン元大統領の国葬で、安倍首相が国葬に個人で訪れた最初の外国人指導者だった。その時に、ナザン元大統領が日本語が堪能で、2009年に原爆生存者に会うために広島に訪れた最初の外国人代表だったと述べている。
  • 2015年に、リー・クアンユー国葬に訪れた。桐花大綬章をリー氏に授けた。
  • シンガポールとの国防での結びつきも近年強まった。日本最大のヘリコプター搭載型護衛艦いずもが入港した。

・ストレートタイムズ紙: Japan-Singapore ties bloomed under Abe's leadership
成果のみを強調して終わっているので、社交辞令にも読めますが。

安倍政権とシンガポールを時系列で振り返る

その安倍政権をブログ記事を通して、時系列で振り返ります。
興味があるものがあれば、つまみ食いで読んでみて下さい。

2013年

安倍晋三首相の靖国参拝

安倍晋三首相の靖国参拝に、シンガポール外務省は遺憾の意を出しています。これは、太平洋戦争で日本軍がシンガポールを占領し、華僑虐殺事件を起こしたことが背景にあります。

安倍晋三首相が靖国神社を訪れたことにシンガポールは遺憾の意を表明する。訪問は多くの苦痛を再開させ、地域の信頼を構築するのに助けにならない。
多くの異なる関係者が撮った一連のイベント・行動・対応行動で、地域の緊張は高まっている。
これを引き起こす靖国神社への訪問は、地域でのさらなる否定的な感情と対応行動を招く可能性がある。
抑制し、さらに緊張を高める行動を避け、相互信頼と理解の環境を構築することが、全ての関係者の利益になる。

2014年

シンガポールでのアジア安全保障会議に安倍首相が参加

uniunichan.hatenablog.com

2014年はリー・シェンロン首相と安倍首相とで首相会談が4回も行われた。

uniunichan.hatenablog.com

2015年

リー・クアンユー初代首相死去

安倍首相が東京のシンガポール大使館に弔問に訪れています。
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シンガポールで行われた国葬には、国会期間中のため日帰りの強行日程で、安倍首相が国葬に参列しています。

戦後70年 安倍首相談話を受け入れたシンガポール

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日本の積極的平和主義を歓迎したシンガポール

安倍首相とリー首相の首脳会談で、「公海における航行の自由,上空飛行の自由の重要性」をリー首相が指摘しています。これは一般的な発言に見えますが、そうでは無かったことが判明します。P-8哨戒機配備の理由として、「人道支援災害救助活動(HADR)と海事安全保障活動」をシンガポールと米国があげているからです。
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2016年

ナザン前大統領に安倍首相が弔問

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2018年

アンチ安倍の内田樹氏

"アンチ安倍"で名高い内田樹氏が、「(シンガポールは)安倍政権がめざす国のかたちそのもの」ととばっちりをくらわせて、シンガポールを敵視。
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