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今日もシンガポールまみれ

日本のあっち、シンガポールのこっち

シンガポール新国民 国籍付与式典に参加してみた: Singapore Citizenship Ceremony

とあるよく晴れた日曜日、シンガポールで新しく国民になる人のための国籍付与歓迎式典に参加してみました。正式のイベント名は "Singapore Citizenship Ceremony" と言います。私が国籍変更したわけではありませんw ただのゲストです。
日本人でシンガポールの永住権保持者(PR)はいく所にいくと珍しくないわけですが、国籍変更者というのは滅多にいないわけです。なのでゲストとしてでも参加経験がある日本人はマレなはずで、レポートしてみようかということです。

シンガポールで国民になるということ

シンガポールの外国人、永住権保持者、国民の義務と権利の違いを知りたい人は、こちらを参照下さい。
シンガポールビザ: よくある質問 (FAQ): 国民/PR/外国人の社会福祉の違いを教えてください
2012年の新規永住権保持者は約3万人、新国民は約2万人です。出産で産まれた新人口の赤ちゃんが3.3万人であることを考えると、2/3に匹敵する国民が移民から生まれているということです。
シンガポールでは過去6年間、2万人前後の新国民を移民から迎え入れています。
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Statistics Singapore: Population in Brief 2013
公表されている新国民への応募条件は、「永住権を保持してから2年経ること」というものです。親がシンガポール国民であれば、21歳以下の子供は、親のスポンサーの元でシンガポール国民に応募できます。
生まれてくる子供の場合は色々あります。シンガポールでは出生地主義でなく、血統主義なため、シンガポールで生まれただけでは国籍は取得できません。どちらかの親がシンガポール人の場合、シンガポールで出生すると自動でシンガポール国籍になりますが、外国で出産するとどちらかの親がシンガポール人でも国籍を申請する必要があります。外国出産の場合は、法律上結婚せずに出産する婚外子には国籍申請ができないケースや、出生国での国籍を取得してないことなどのケースもあり、厳しいです。
これは単純労働者用労働ビザのWork Permit保持者/過去に保持していた人との結婚がMOM(労働省)による許可制のため、海外出産での抜け穴をなくすためと思われます。偽装結婚防止、という理由はつけられるのでしょうが、極めてプライベートなことである結婚にも、国家の許可がいるというのは希少な制度でしょう。Work Permitでシンガポールに滞在する単純労働者は一時的な労働力であり、結婚を経たとしても、社会保障負担の観点などから、永住者や国民になるのは歓迎していないと解釈できる制度です。
ICA: Citizenship Application
ICA: FAQs: Citizen Services: Citizenship: If my child is born after I become a Singapore citizen, will the child automatically be a Singapore citizen
Yes. If your child is born in Singapore after you have become a Singapore citizen, he/she will automatically become a Singapore citizen. If a child is born overseas, you have to apply Singapore citizenship for the child.

式典の様子

シンガポール新国民への国籍付与式典は「欠席は付与したシンガポール国籍を没収」というシンガポールらしい強制力のもとで行われます。
会場はポリテクニク(日本での高専に該当)の大講堂。参加者は300人前後。居住地域ごとに別れて開催されます。
参加者はやはり中華系が多いです。もちろんインド系・マレー系と思しき人もいます。日本人がシンガポール国籍を取るのはそうそうないですが、韓国からはまれにあると聞いています。
プライベートではどこに行くのもTシャツ、ジーパン、サンダルのシンガポール。ドレスコードで長袖シャツとネクタイと指示がありますが、守らない人も(当然)います。そういう人はタイが貸し出され、強制着用になっていました。スーツを来てきた男性は2人だけでしたw
式は全て英語で進行します。
途中でマレーの伝統音楽のパフォーマンスもありましたが、出し物は最小限です。
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ピンクIC、NRICとFIN

式典ではピンクICが交付されます。
シンガポールの長期滞在外国人にはFIN (Foreign Identification Number) という識別番号が与えられます。これが国民とPRでは、NRIC (National Registration Identity Card) になります。はい、日本ではいまだに導入されていない国民総背番号制です。国民もPRも同じNRICなのですが、国民の身分証明書IC (Identity Cards) はピンク色、PRを含め外国人の身分証は青色。なので国民の身分証を特に指すのに"ピンクIC"という呼び方をするときがあります。
シンガポール新国民は一人づつ名前を呼ばれ、ステージに上がって、該当地区選出の国会議員から国旗の前で身分証を渡され、記念撮影をします。自分の意思で国籍を選び承認されているためか、皆さん少し誇らしげです。
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式典の意義: 宣誓 (Oath)

シンガポールでは二重国籍は認められていません。シンガポールで国民申請が受理されると、前国籍破棄とその証明を取得し、シンガポール政府に提出することが必要になります。つまり、うっかりOathをしないと、無国籍になります。過去には、NS (徴兵) をしたのに、公的な宣誓が必要なことを知らなず怠ったため、国籍が没収され、一時無国籍になった日系人二世もいます。最終的にその人はシンガポール国籍は回復しています。
AsiaOne: I served NS, but now I'm Stateless
「金があればシンガポール国籍が買える」と揶揄される国ですが、このように実は意外に厳しい側面もあります。この揶揄事態が、国籍と永住権の誤認なんですけどね。シンガポールの永住権は金で買えますが、国籍は二年の居住要件があるので金で買えません。永住権を金で買うのも、GIPスキームならS$250万(2億円)のシンガポールへの投資が必要なので、新富裕層でもそこまで資産無く永住権応募できない人は少なくないです。なので、最近のシンガポールに来る新富裕層の多くは永住権でなく労働ビザ(Employemnt Pas)で来てます。
身分証授与後は、シンガポール国歌斉唱。そして"We, the citizens of Singapore"で始まるシンガポール国民の誓い(Oath)を宣誓。宣誓時には右手を左胸に当てて、国家への忠誠を示します。
宣誓はシンガポール国民にとって重要なものです。小学校から行われ、建国記念日など国の主要行事では必ず宣誓が行われるため、シンガポール国民はソラで暗唱できます。
式の後に軽食が出て、解散となりました。
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Wikipedia: Singapore National Pledge

国籍は血統主義なり出生地主義なりで、出生時に付与されたものを持ってる/使ってる人が大半です。シンガポールは移民国家とはいえ、永住権や国籍付与の対象を絞り込み、自分達の基準で好ましい相手にのみ付与する姿勢が明確です。シンガポール移住希望者が増え、ハードルも上がってきています。
私は国という枠組み自体に懐疑的ですが、国境を超えて生きていくのに国籍は絶対必要な属性です。個人でも国を選べるようになると、生き方の自由度も増すのでしょう。

※本ブログの記述は、筆者の調査・経験に基づきます。記述が正確、最新であることは保証しません。記載に起因する、いかなる結果にも筆者は責任を持ちません。記載内容への判断は自己責任でお願いいたします。
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