今日もシンガポールまみれ

日本のあっち、シンガポールのこっち

海外移住に向く人、向かない人 ~シンガポール居住を例に~

今日は軽めの話で。もちろん、以下は私の主観です。
"移住"というと永住を考える人もいるようですが、数年以上の外国への長期滞在で考えてみます。外国といっても幅広いですし、シンガポールを例にとって私の知っている範囲で。

結論からいうと、シンガポールは海外の中で日本人に最も生活がしやすい国・都市の一つです。シンガポールとバンコクが、全世界で日本人に住みやすい二代都市だと思います。シンガポールで海外生活がうまく行かなければ、他の国での生活がうまくいく可能性は限りなく低いでしょう。

  • 和食や日本文化へのアクセスが容易
  • 英語圏
  • 日本人への人種差別が基本なく、英語が不得手でも対応してくれる
  • 日本人学校・インターナショナル校の教育充実
  • 安全
  • 成熟した日本人コミュニティ

などなど。確かにシンガポールは娯楽が少なくて楽しみには欠けますが、住みやすいのは確かです。シンガポール国内で娯楽をまかなえなくても、週末に近隣アジア各国での旅行を楽しめます。なので、特に手厚い駐在福利厚生に支えられた駐在はシンガポール生活が楽しくて仕方がなく、本帰国では涙を飲んでのお帰りとなります。


■シンガポール居住:向く人、向かない人

  向く人 向かない人
就業形態 駐在 現地採用、リタイア
家族 共働き、子持ち  
海外経験 留学経験がある、帰国子女  
性別 女性  
趣味 ネット好き、ゴルフ好き、映画好き クルマ好き
サービス 店でぞんざいな対応を受けても気にしない お客様は神様
集団適正 一人で焼肉・カラオケも平気 一人で外食ができない
空気読め 自分の仕事が終わったら帰る 付き合い残業もやむを得ない
食事 とりあえず食べてから好き嫌いを決める 和食命
言語 英語に苦手意識がない 英語を口にだすのは恥ずかしい
健康状態 健康 病気がち、持病がある

 

【就業形態】◯:駐在 ☓:現地採用、リタイア

一般的に現地採用だと生活が苦しくなりがちです。駐在と現地採用との待遇の違いは別記事参照下さい。

uniunichan.hatenablog.com

給料はシンガポリアン同等に出ているのですが、シンガポール人より生活は苦しいです。理由は家賃。シンガポールの不動産は東京より高いです。シンガポールでは結婚まで親元に同居し、結婚後にHDB(公団)を買って引越すのが一般的。親元に暮らすことで家賃を回避します。都市国家なので、住居がどこでも、ほぼほぼ職場に通勤可能なのが強み。シンガポールの給与相場については下記をどうぞ。

uniunichan.hatenablog.com

【家族】◯:子持ち、共働き

日本の子育て環境は世界屈指の大変さだと思います。行政は保育園の空きが無く、親とは微妙な距離感や教育方針の違いで頼れず、地域のご近所コミュニティは崩壊し、旦那は仕事第一。シンガポールでは自宅に住み込みメイドやナニーを入れられますし、0歳児保育なども日本より容易に利用可能です。住み込みメイドが税をいれて月にS$1,000程度、0歳児保育も月にS$1,500程度で受けられます。
共働きでも、住み込みや通いでのメイドサービスを入れると、仕事とプライベートの両立が容易になります。

 

【海外経験】◯留学経験がある、帰国子女

語学への慣れや、異文化適応力から言っても、留学経験や帰国子女は圧倒的に有利。

 

【性別】◯:女性

海外では女性のほうがノビノビとやっていることが多いです。特に仕事を持つ女性。現地採用者に女性が多いのは、日本でだと男性職場で活躍困難で海外に出た、という理由以外に、女性のほうが新しい場所での環境適応力があることも理由でしょう。
男は自宅と職場の往復に、カッページ(日本人向け居酒屋・スナックがあるビル)で終わってしまう駐在もいます。駐妻では、日本以上に村社会での周囲からの監視や、海外生活のストレスや、英語で海外鬱になる人もいますが。

 

【趣味】◯:ネット好き、ゴルフ好き、映画好き ☓:クルマ好き

海外での最強の遊びはネット。お金もかからないし、いつでも家で遊べるし、日本とも連絡とれるし、日本のテレビや漫画もネット経由で仕入れている人も。
ゴルフ好きにシンガポールは万歳の国。SG国内のゴルフ場は高いので、土曜日になると朝から車に便乗して、お隣マレーシアのジョホールでゴルフする駐在員は多い。
娯楽が少ないSGで映画は貴重な楽しみの一つ。平日・週末などで値段が変わりますが、S$10(700円)前後で楽しめます。英語音声・中国語字幕で、日本語未対応ですが。
車好きにはSGは悲劇の国でしょう。最近の円安と、SG国内での税の上昇でカローラが14万ドル、日本円で1千万円ですwww
Toyota Corolla Altis
カローラでも日本未販売車種とはいえ、これはキツイ。シンガポールは国土が小さいので、車の総量規制をしいています。新規に割り当てられるのはCOEというオークションで税額が決まるため、昨今の経済好調で税がうなぎのぼりです。駐在であれば、車を割り当てられることも多いと思いますが、社用車を足として使うのはともかく趣味で使うのは苦しいでしょう。

 

【サービス】◯:店でぞんざいな対応を受けても気にしない ☓:お客様は神様

日本人が最もカルチャーショックを受けて、シンガポールを去る時まで文句が切れない人もいるのが、コレ。「お客様は神様です」が通るのは日本だけ。海外では売り手と買い手は対等です。
また、サービスは買うものです。人に何かしてもらうと代償が必要です。シンガポールはチップ不要国なので、その点では非常に日本人には楽なのですが、タダでなんでもやってくれる国ではありません。
加えて、シンガポールでは飲食・店舗の営業・カスタマーサービスは、低賃金で3K労働とみなされていて、単純労働者外国人移民が中心を担っています。日本の特異点の一つは、これら職種の労働者の質が極めて高く、やる気もあることですが、シンガポールではこの真逆で跳ね返ってきます。例えば、テレビを買って配送遅延は当たり前、配送キャンセルも当たり前。熱帯で湿度が高いので、エアコンクリーニングが必須なのですが、日系クリーニング業者は「時間通りに作業員が訪問すること」がウリになるくらいのレベルです。「日本だったらありえない」「そんなことやってくれるの当たり前じゃない」と思っていると気が病みます。「まぁ、シンガポールだからねぇ」とマインドチェンジが必要です。

 

【集団行動】◯:一人で焼肉・カラオケも平気 ☓:一人で外食ができない

海外生活では外食が増えます。独身であれば尚更です。それに輪をかけて、シンガポールはフードコート文化。3食外食も珍しくありません。現地採用のフラットシェアでは、料理が許されない賃貸契約もあります。一人で外食ができない人や苦痛な人は、体がいくつあってももちません。一人で焼肉やカラオケができるような、「他人は他人、私は私」の人が海外では適応力あります。

 

【空気読め】◯:自分の仕事が終わったら帰る ☓:付き合い残業もしょうがない

これが問題になるのは、どちらかと言うと、付き合い残業をする方以上に、付き合い残業を指導する方ですね。日本ではヒラやリーダ程度でも、駐在で海外に来ると部下持ちになることが多いです。その際に、自分が日本で受けていたマネージメントスタイルを海外で実行すると部下がついてこない→退職、という目にあいます。
永久に話し続けるインド人知人の話を、空気を読まずにさえぎって「お前の言ってることは分かったから、こっちの言いたいことはこうだ」との切り返しが必要です。同じ文化背景を共有していないので、相手がこちらの気持ちを分かってくれることはそうは無いです。自分が説明して初めて相手に伝わります。空気を読んだら負け、それがシンガポールです。

ただし、シンガポールでは原則解雇自由。現地採用で日系企業に就職して、日本人マインドwを発揮しないと、平気で解雇されるのでご注意。

uniunichan.hatenablog.com

uniunichan.hatenablog.com

 

【食事】◯:とりあえず食べてから好き嫌いを決める ☓:和食命

人間は幼少期に作られた味覚に固執する生き物。特に日本人は和食命の人が多いです。海外旅行に、味噌汁・カップ麺・醤油持参者は珍しくなく。旅行ならまだしも、海外居住でこれでは大変です。SGはSG人の親日にも助けられ、和食や日本文化へのアクセスが容易ですが、日本での値段の倍以上になります。これではコストもかかりますし、外食場所も選ぶので生活不便です。

 

【言語】◯:英語に苦手意識がない ☓:英語を口にだすのも恥ずかしい

シンガポールでの英語は英米よりずっと楽です。通じない英語を話して、(米人と違って)シンガポール人がキレたり無視したりすることはそうそうないからです。シンガポール人も英語で教育を受けているとはいえネィティブではなく、互いの英語が通じないケースがあるのを分かっているので、遥かに辛抱強いです。なので、できるなら、どんどん英語を話していきましょう。英語を口から出すのも嫌であれば、さすがにSGでも、生活辛いです。

 

【健康状態】◯:健康 ☓:病気がち、持病がある

言うまでもなく、健康第一です。シンガポールの医療レベルは日本同等。日本人医師もいます。駐在や駐在家族が入っている健康保険だと、日本人病院へのアクセスができるものが大半なので、通常は大きな問題はないでしょう。とはいっても、専門医に日本人医師はいませんし、特に保険を気にする必要がある現地採用者では、海外での治療は経済面でも不安を覚えることもあるでしょう。

 

 

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